化粧品責任技術者は、薬剤師でなくても、文系出身でも要件を満たせばなれます。
化粧品責任技術者とは、化粧品責任技術者とは、化粧品製造業の製造所において、化粧品の製造を実地に管理する責任者です。
化粧品製造業許可の取得に必ず配置が必要な責任者で、資格試験はありません。化粧品責任技術者の資格要件は、医薬品医療機器等法施行規則第91条2項に定められています。たとえば、高校等で化学の科目を履修し、許可を持つ会社で製造業務に実務経験3年以上従事した方も対象です。また、化学の科目を履修していなくても製造業務に実務経験5年以上従事した方も対象です。
一方で、「文系出身でもなれるのか」「高校の化学の授業でも認められるのか」「実務経験3年や5年とは具体的にどのような業務か」など、条文だけでは判断が難しいケースも少なくありません。
この記事では、次の点を実務上のポイントを交えて解説します。
●責任技術者の資格要件(1号〜4号)
●文系・高卒・通信制高校でもなれるか(相談事例5ケース)
●実務経験3年、5年の考え方と従事証明書
●総括製造販売責任者との違い、兼務、外部委託の可否
総括製造販売責任者、責任技術者経験者であるサイト管理人が執筆・監修しています。
結論:資格要件は、医薬品医療機器等法施行規則第91条2項の
次の4つのいずれかに該当すれば満たします。
●第一号:薬剤師
●第二号:高校、高専、大学等で、薬学又は化学の専門課程を修了
●第三号:高校、高専、大学等で、薬学又は化学の科目を修得し、その後化粧品(又は部外品・医薬品)の製造に関する業務に3年従事
●第四号:厚生労働大臣が前三号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者
上記の4つのいずれかに該当する必要があります。
出典:東京都健康安全研究センター/薬機法施行規則 第91条第2項(e-Gov法令検索)
責任技術者は試験を受けて取得する資格ではありません。薬事法管理者、コスメ薬事法管理者などの民間資格を持っていても、それだけでは就任できません。
化粧品製造販売業の総括製造販売責任者の資格要件については化粧品総括製造販売責任者とは?資格要件|文系・薬剤師以外でもなれる?をお読みください。

化粧品責任技術者の資格要件一覧(1号〜4号)及び詳細説明
薬機法(旧薬事法)に基づく化粧品製造業許可は、都道府県が許可権者となります。そのため、資格要件の確認については、都道府県によって実務上の確認方法や判断が異なる場合がありますので、事前に都道府県の薬務課へ照会することが重要です。
資格要件の確認で特に注意したいのが、学歴・履修科目・実務経験の判断です。薬剤師免許については資格の確認が明確ですが、それ以外の要件では、卒業した学科・履修科目・実務経験の内容について都道府県の薬務課への確認が必要になるケースがあります。
また、社長(代表)との兼務については重要なので必ず照会しましょう。
化粧品の許可は厚生労働省じゃない?実は「都道府県」が出している話
少しでも疑問がありましたら無料相談はこちら、無料相談は何度でもOKです。
薬剤師
・医薬品医療機器等法施行規則第91条2項第1号 に該当します
高校、高専、大学等で、薬学又は化学の専門課程を修了
・医薬品医療機器等法施行規則第91条2項第2号 に該当します
・大学の化学系学部です、学部名、学科名に化学の文字が入っていれば卒業証明だけでもOKですが、入っていない場合は単位の確認が必要です
・高校での化学系の科もあるので(農業高校、工業高校など)、確認する価値ありです
高校、高専、大学等で、薬学又は化学の科目を修得し、その後化粧品(又は部外品・医薬品)の製造に関する業務に3年従事
・医薬品医療機器等法施行規則第91条2項第3号 に該当します
・高校、高専、大学等で、薬学又は化学の授業を受けていた場合に、成績証明などで授業を受けていたことを証明する
(成績証明書などを取り寄せる)
+
・化粧品(又は部外品・医薬品)の製造業務に3年従事
化粧品製造業、医薬部外品製造業、医薬品製造業の許可を持っている会社で製造業務に3年以上従事したことを証明する
(前職の会社に従事証明書を書いてもらう)
「必要書類はこちら」
上記の2つの証明書を提出することになります。
これら2つの証明書について難しい場合はご質問願います
参考記事:姉妹サイトから
従事年数証明書(実務経験を証明する)で資格要件をクリアする方法
化粧品や医療機器での資格要件で必要となる高校の卒業証明と履修証明
厚生労働大臣が前三号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者
・医薬品医療機器等法施行規則第91条2項第4号 に該当します
化粧品・医薬部外品・医薬品の製造に関する業務に5年以上従事したことにより、同等以上の知識経験として認められています。
出典:厚生労働省 医薬品等の製造業許可、外国製造業者認定等に関する質疑応答集(Q&A)について
化粧品製造業、医薬部外品製造業、医薬品製造業の許可を持っている会社で製造業務に5年以上従事したことを証明する
(前職の会社に従事証明書を書いてもらう)
責任技術者とは
化粧品責任技術者とは、化粧品製造業の製造所において、化粧品の製造を実地に管理する責任者です。
化粧品ビジネスを始める際、化粧品製造業許可を取得する場合に必ず必要になるのが「責任技術者」です。
化粧品製造業の許可を申請して取得するためには製造所や倉庫ごとに責任技術者を必ず設置する必要があります。
責任技術者がいない場合は許可を取得することが出来ません。
化粧品製造業許可には化粧品製造業(一般)許可と化粧品製造業(包装・表示・保管)許可の2種類ありますが、
どちらの許可であっても責任技術者は必要であり、その資格要件は同じです。
化粧品製造業許可の区分とは?一般と包装・表示・保管の違い|1号・2号との関係を解説
化粧品許可の種類を完全解説|製造販売業・製造業の違いと必要なケースを図解で解説
化粧品許可取得の完全ガイド|化粧品製造販売業・化粧品製造業の許可取得手順と期間を解説
責任技術者の仕事
責任技術者の主な業務は以下の通りです。
・製造工程の管理
・品質管理
・衛生管理
・記録の作成・保管
・問題発生時の対応
製造業における製造管理、衛生管理等については、
化粧品製造業に手順書は必要?更新調査・製造所監査で求められる記録様式を解説
従事経験3年、5年以上とは
医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造業務に三年以上、五年以上従事した者
とは、
従事した会社が製造業許可を持っていること
従事した業務が製造業務であること
その業務に従事した期間が通算3年、5年以上あること
従事期間は複数社の合算期間でOKです(複数社の従事証明書が必要)
従事証明書は許可を受けている会社の代表名で作成してもらいます。
注意したいのは、営業、企画、研究開発などの業務では認められないという事です。
製造販売業務に従事していた場合は、化粧品製造販売業の総括製造販売責任者の資格要件では評価対象となる可能性がありますが、責任技術者の第3号、第4号要件で求められる製造業務には該当しません。
従事証明書のひな形では、〇を囲むのが品質管理・製造販売後安全管理・製造しかありませんが
この場合には製造になります。
要するに、前職の社長さんがそこに〇囲みで証明書を作成してくれるか?がカギです。
文系でも責任技術者になれる?
結論:
大学が文系であっても、高校以上の学校の時に化学の授業を受けていたことを証明する
+
化粧品製造業許可を持った会社で製造業務に3年以上従事したことを証明する
上記2つを証明すればOKです。
又は、化粧品製造業許可を持った会社で製造業務に5年以上従事したことを証明する
具体的な過去の相談事例から
ケース1 文系大学+高校で化学履修
文系大卒は関係ありません、高校で化学の授業を受けた証明(成績証明など)と
製造業許可を持った会社で製造業務に3年以上従事したことを証明する従事証明書
上記の2つがあれば可能です。
ケース2 文系大学+理科基礎のみ
成績証明書の科目名が「理科」「理科基礎」などで、「化学」と書かれていなければ、化学を履修した証明にはなりません。
化学の授業を高校、大学のどちらでも受けていない場合も同様です。
ただし、化粧品製造業許可を持った会社で製造業務に5年以上従事したことを証明する従事証明書があれば可能です。
ケース3 高校卒業のみ
高校で化学の授業を受けた証明(成績証明など)と
製造業許可を持った会社で製造業務に3年以上従事したことを証明する従事証明書
上記の2つがあれば可能です。
又は、化粧品製造業許可を持った会社で製造業務に5年以上従事したことを証明すれば可能です。
ケース4 通信制高校
通信制高校であっても、化学の授業を受けた証明(成績証明など)と
製造業許可を持った会社で製造業務に3年以上従事したことを証明する従事証明書
上記の2つがあれば可能です。(但し、都道府県により判断が変わる場合もありますので薬務課に要確認)
又は、化粧品製造業許可を持った会社で製造業務に5年以上従事したことを証明すれば可能です。
ケース5 高卒後に化粧品工場に勤務
高校で化学の授業を受けていましたか?==>受けていた
勤務していた化粧品会社は化粧品製造業許可を持っていましたか?==>持っていた
業務は製造でしたか?==>製造業務でした。
上記3つが成り立つなら、
高校で化学の授業を受けた証明(成績証明など)と
製造業許可を持った会社で製造業務に3年以上従事したことを証明する従事証明書
上記の2つがあれば可能です。
又は、化粧品製造業許可を持った会社で製造業務に5年以上従事したことを証明すれば可能です。
化粧品責任技術者は外部委託できるのか
●責任技術者は直接雇用した者である必要がありますので、外部委託は不可です
●責任技術者と会社との間で雇用証書を作成して提出します
化粧品責任技術者になるために試験はあるのか?
ありません。
これは資格試験ではなく
“要件を満たせばなれるポジション”です。
化粧品責任技術者資格試験などはありません。勉強すれば取得できる資格ではないため、異分野の職種から化粧品責任技術者になる難易度は極めて高いでしょう。
責任技術者と総括製造販売責任者の違い
| 項目 | 責任技術者 | 総括製造販売責任者 |
|---|---|---|
| 対象 | 製造業 | 製造販売業 |
| 役割 | 製造管理 | 市場流通の責任 |
| 必須性 | 必須 | 必須 |
化粧品製造販売業の総括製造販売責任者の資格要件については
化粧品総括製造販売責任者とは?資格要件|文系・薬剤師以外でもなれる?をお読みください。
化粧品製造販売業の総括製造販売責任者との兼務について
化粧品製造販売業と化粧品製造業が同一の場所にある場合、化粧品製造業の責任技術者と化粧品製造販売業の総括製造販売責任者は兼ねることができます
化粧品責任技術者は常勤が必要?パート・兼業・リモートの可否
常勤とは何か(実務上の判断基準)
常勤とは会社の就業規則通りの出社日、勤務時間を許可を受けた製造所で就業する事です。
パート・兼業・他社との掛け持ちが可能か
直接雇用でありフル勤務ならば雇用形態に縛りはありません。
ただし、常勤が必須ですので就業時間中の兼業・他社との掛け持ちは認められません。
リモートの可否
原則は製造所での実地管理です。厚生労働省の通知により、実地と同等の管理ができる場合に限って遠隔での業務が認められていますが、遠隔を前提とした設置はできません。条件は下記のFAQで解説しています。
住所や通勤距離の考え方
常勤が前提(リモートであっても)ですので、許可を受けた製造所に通勤できる住所・通勤距離の必要があります。
これらは都道府県の運用差が出やすい部分なので、最終判断は薬務課へ確認してください。
FAQ:よくある質問
Q. 薬剤師でないと責任技術者になれませんか?
A:薬剤師以外でも責任技術者にはなれます。
Q. 文系出身でもなれますか?
A:高校、大学などで化学の授業を受けていて、許可を持った会社で製造業務に3年以上従事していれば
証明書を出すことでなれます。
化学の授業を受けていなくても、許可を持った会社で製造業務に5年以上従事していれば
証明書を出すことでなれます。
Q. 外部の人でもなれますか?
A.外部の人はなれません(直接雇用を証明する雇用証書を提出)
Q. 未経験でもなれますか?
A.許可取得だけなら経験がなくても学歴等だけでなれますが、実務運用的には難があります。
Q.自分が責任技術者になれるか分からない場合はどうすればよいですか?
A:最終的な判断は許可権者である都道府県薬務課が行います。
学歴・履修科目・実務経験の内容によって判断が分かれる場合がありますので、卒業証明書や成績証明書、従事証明書などを準備したうえで事前相談することをおすすめします。
Q. 高校の化学は何単位必要ですか?
A:単位数は関係ありません。ただし、成績証明書に「化学」の科目名が記載されている必要があります。
Q. 製造業務経験は前職でも良いですか?
A:前職でも前前職でもOKです。
Q. 複数社の実務経験を合算できますか?
A:複数社の実務経験を合算できます。(従事証明書は複数社分必要)
Q. 代表取締役と兼務できますか?
A:可能な地域が多いですが、代表は営業ですよね?と言われたり
(基本的に責任技術者は営業に属せません)
都道府県によって変わる場合がありますので薬務課へ確認してください。
Q. リモート勤務できますか?
A. 原則は製造所での実地管理です。ただし、厚生労働省の通知(令和6年6月17日付 医薬薬審発0617第4号)により、実地と同等の管理ができる場合に限り、自宅などから遠隔で業務を行うことが認められています。なお、遠隔での管理を前提に責任技術者を置くことはできません。遠隔で行う場合は、次の対応が必要です。
・遠隔管理に必要な規程・業務手順書を整備し、定期的に見直す
・トラブルや調査の際に、いつでも実地管理に切り替えられる体制を確保する
・記録や帳簿で遠隔管理の運営状況を確認・評価し、改善する
・都道府県等の調査・監視指導に支障が出ないようにする
このため、責任技術者の住所は、製造所に通勤できる地域であることが実務上は必要と考えられます。運用は都道府県で異なる場合があるため、事前に薬務課へ確認してください。
出典:厚生労働省の通知令和6年6月17日付 医薬薬審発0617第4号
Q.営業部門所属でも責任技術者になれますか?
A:営業部門所属はNGです。
Q.総括製造販売責任者と責任技術者は兼務できますか?
A:総括製造販売責任者の業務を行う事業所(製造販売業の事務所)と、責任技術者の業務を行う製造所が同一の場所(所在地)であれば可能です。
Q.責任技術者が退職したらどうなりますか?
A:空席は認められませんので、退職前に次の責任技術者を用意する必要があります。
(責任技術者の変更届の提出は変更後30日以内です)
責任技術者になれる人がいない場合どうする?
現場ではここが一番の問題です。
解決策としては、「採用する」しかないのですが、
●直接雇用の必要があります(雇用証書の作成)
また、社内に高校で化学履修者が在籍していれば、シルバー人材等の活用で実務経験3年を目指すなどの技もありますので詳しくはご相談ください。
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* 何から手を付けたら良いかもわからない
* 「自分は化粧品許可を取得できるのか知りたい」
* 「責任技術者、総括製造販売責任者の要件を確認したい」
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* 現在、運用が出来ているか不安
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【執筆者情報】
執筆者:板橋
化粧品製造販売業・製造業許可申請、GQP・GVP・GMP等の実務に携わっています。
総括製造販売責任者・責任技術者としての実務経験を持ち、化粧品関連事業者の許可取得から特に許可取得後の運用を重点的に支援しています。
詳しいプロフィール・実務経験はこちら
運営者情報・執筆者プロフィール|化粧品許可申請・GQP・GVP・GMPの実務経験
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