化粧品許可倉庫とは化粧品製造業許可と言う資格を持っている倉庫業者さんです。
倉庫業者さんが化粧品の許可を取得する場合、ほとんどの倉庫業者さんは化粧品製造業（包装・表示・保管）と呼ばれる許可がほとんどです。
これは製造業とは言っても、１次包装（ボトルやチューブなどの容器に入った状態で化粧品の中身には外気が触れない状態）の終わった状態の化粧品にラベルを貼ったり、化粧箱に入れたり、海外から輸入された直後の化粧品を一時的に保管する作業が行えるだけです。化粧品製造業許可の区分には１号２号なんてありません
もし小分けして小さな容器に移し替えたり（小分け製造）や原液からボトル容器などへ充填作業などの加工を行いたい場合には、化粧品製造業（一般）許可が必要になります。化粧品製造業（一般）許可取得のためには製造所の改造改築が必要になると考えた方が良いです。
参考までに
化粧品製造業（包装・表示・保管）許可の他に化粧品製造業（保管のみ）登録と言うのがあります
この保管は化粧品製造業（一般）の工場の途中工程で一時的に工場から移して保管して、また元の化粧品製造業（一般）に戻す必要になる、一時的保管場所ですので注意が必要です（普通は取らない）
倉庫さんの物流業務で考えられるのは、ざっくりと下記の作業かと思われます。
１．委託元（化粧品製造販売業者など）からの依頼で化粧品の在庫保管を行う
２．委託元（化粧品製造販売業者など）からの依頼で在庫している化粧品を販売店（BtoBの発送業務）や消費者（BtoCの発送業務）への発送を行う
３．化粧品工場さん（化粧品製造業（一般））からの依頼で製造の後工程（ラベル貼りや化粧箱に入れ）を行う
４．輸入化粧品などを自社へ入庫してラベル貼りなどを行ったり検品検査作業を行う
化粧品倉庫の資格との関係（上記の物流業務の番号と対で説明します）
１．化粧品の在庫保管の場合
化粧品製造販売業者さんが行う「市場出荷判定後の流通在庫」の保管であれば、化粧品の許可は不要です
（問屋さん、ショップの在庫と同じ）
市場出荷判定が出荷判定「可」と判定された化粧品は流通在庫となりますので、
化粧品製造業（包装・表示・保管）の許可を持った倉庫から、
許可を持っていない倉庫（同じ倉庫でも許可の不要なエリア）へ在庫を移動して保管する事が出来ます。
２．化粧品を販売店（BtoBの発送業務）や消費者（BtoCの発送業務）への発送を行う場合
上記１．の流通在庫としての化粧品の発送業務は化粧品の許可は不要です
３．化粧品製造の後工程（ラベル貼りや化粧箱に入れ）を行う場合
化粧品製造業（包装・表示・保管）の許可が必要です（ラベル貼り、箱入れも製造行為だからです）
４．輸入化粧品などを港や空港から直接入庫してラベル貼りなどを行ったり検品検査作業を行う
化粧品製造業（包装・表示・保管）の許可が必要です（ラベル貼りは製造行為です、ラベル貼りがなくても化粧品製造販売業者が行う市場出荷判定前の一時的保管が発生しますので）
化粧品倉庫の選び方
上記の物流業務の番号３や４のために化粧品製造業（包装・表示・保管）許可を持った倉庫に依頼する場合に事前確認すること
●倉庫業者のサイトを見て許可など必要ない業務なのに許可が必要ですとかいい加減なあおりを書いている倉庫は分かっていない可能性大です。
●倉庫業者のサイトを見て化粧品製造業（包装・表示・保管）や化粧品製造業（一般）の許可を持っている事を確認する
化粧品製造業（２号区分）なんて書いて有るのは論外です（なにも分かっていない可能性大です）
●手順書、作業記録様式など各種の記録様式が有るかの確認をする
化粧品製造業の許可取得では手順書や各種の記録様式の有無を許可を出す都道府県薬務課は見ません（必須ではないので）が実際に業務運用をしていく手順書や各種記録様式がなくてどうやって仕事しているのかと言う事です
●倉庫業者の営業が安易に「市場出荷判定をこちらでやりますので楽ですよ～」と言ってくる
市場出荷判定は本来は化粧品製造販売業者さんが行うこの化粧品を市場へ出しても良いかを判定する最重要な判定ですが製造所に委託する事が法律上は出来ます。しかしながら該当化粧品の市場からの情報は倉庫さんは持っていないはずです。
なぜ、倉庫さんで市場出荷判定が出来るのですか？とやり方を聞きましょう。やり方によっては出来るのですが逆に面倒かもしれません
良くある質問
「化粧品を保管する倉庫には、特別な資格が必要なのか？」
↑
化粧品製造販売業者さんから流通在庫を預かり保管するのであれば必要ありません
「化粧品は特性上、適切な環境での保管や管理が不可欠です。そのため、「化粧品製造業許可」が必要になります」か？
↑
そんな管理は化粧品許可倉庫でなくても一般倉庫でも当たり前でしょう。
自社が化粧品許可倉庫になるには
化粧品製造業（包装・表示・保管）許可を取るには
詳細は化粧品の許可である化粧品製造販売業許可と化粧品製造業許可を取得するための申請方法、取得方法（取り方）の手順や手続きフローについて概要概略を説明します。で詳細は説明していますのでザックリと重要な部分だけの説明です。
会社の目的に化粧品の製造等が書かれていなければなりません（登記簿等を確認してください）
代表者や取締役に、薬機法（旧薬事法）の許可取り消しや禁固以上の刑、薬事に関する違反の経歴、後見開始の審判 などが居る場合は申請することが出来ません。また、麻薬、大麻などの中毒者でないこと
化粧品製造業責任技術者が必要になります
責任技術者になれる資格とは、おおまかに下記のいずれかになりますが他にもありますので迷い等ありましたらご相談下さい。
●薬剤師
●化学4大卒
●高校で化学を履修して、化粧品製造業者での実務経験3年以上
詳しくは化粧品製造業許可の責任技術者の資格要件と兼務
をお読みください。
化粧品製造業（包装・表示・保管）の構造設備ですが
特別な構造は必要としません。理由は容器に入った完成品の外側の作業（ラベル貼りや小箱入れ）だからです。
事務所の一番奥や倉庫の一角を仕切りテープで仕切るだけでも大丈夫です