化粧品製造販売業許可を申請すると都道府県薬務課により実地調査(現地での行政調査)が行われます。
初めて許可取得を目指す方の中には、
・何を確認されるのか分からない
・手順書はどこまで理解しておくべきか不安
・総括製造販売責任者が答えられなかったらどうなるのか
と心配される方も少なくありません。
この記事では、実際の実地調査で確認される内容や当日の流れ、よくある指摘事項について
全国各地から年間多数の化粧品許可取得のサポート相談、許可取得後の業務運用サポート、許可の更新サポートを行っている
総括製造販売責任者、責任技術者経験者であるサイト管理人が、制度・資格・実務・現場のリアルまで完全に解説します。
化粧品製造販売業許可における実地調査(現地での行政調査)は単なる施設確認ではなく、化粧品製造販売業として適切な品質管理・安全管理体制が構築されているかを確認する重要な調査です。
実地調査(現地での行政調査)で確認される主な内容
| 確認項目 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 事務所 | 実在確認 |
| 総括製造販売責任者 | 常勤性・理解度 |
| GQP手順書 | 整備状況 |
| GVP手順書 | 整備状況 |
| 教育訓練 | 実施方法 |
| 自己点検 | 実施方法 |

化粧品製造販売業の実地調査(現地での行政調査)とは
実地調査とは、許可申請後に都道府県の薬務課担当者が申請事務所を訪問し、許可要件を満たしているかを確認する行政調査です。
化粧品許可取得の完全ガイド|化粧品製造販売業・化粧品製造業の許可取得手順と期間を解説
主な確認事項は以下のとおりです。
・事務所の実在確認
化粧品製造販売業許可に設備は必要?事務所・自宅要件を薬機法ベースで解説
・総括製造販売責任者の勤務実態
・GQP・GVP手順書の整備状況
など
許可取得のためには、単に手順書を作成するだけでなく、その内容を理解し運用できる体制が求められます。
実地調査(現地での行政調査)の調査前に行われる事
化粧品製造販売業許可申請が受理されると
・電話等で薬務課から調査の日程調整が行われます。(通常受理後数日から1週間ほど)
・仕事速い県は、許可申請時にその場で日程調整しますので注意。
・日程調整が済むと、事前に手順書を送るよう指示する県もあります。
・手順書を事前に送る場合には承認済み(承認印済み)手順書を送ると好感度アップ。
上記のように、許可申請から実地調査調査(現地での行政調査)までの時間は短いですので、許可申請時には手順書は完成させておく必要があります。
化粧品製造販売業の手順書とは? GQP手順書・GVP手順書・品質標準書等を実務ベース解説
実地調査(現地での行政調査)当日の一般的な流れ
1.担当者来訪
2.会社概要ヒアリング
3.手順書確認
4.総括等への質疑応答
5.指摘事項説明
6.終了
全体的なヒアリング
調査では最初に事業内容について質問されます。
例えば、
・会社の概要
・化粧品製造販売業許可を取得する目的
・どのような化粧品を、いつどの位の数量扱うのか
・外国からの輸入なのか国内製造なのか
・OEM製造か自社企画か
・どんなルートで販売するのか
などを確認されることがあります。
業務手順書の内容確認
実地調査ではGQP・GVP手順書の内容確認が行われます。
業務手順書が化粧品GQP省令(厚生労働省令第136号)と化粧品GVP省令(厚生労働省令第135号)で求めている内容に合っているかを確認されます。
東京都や神奈川県など都会の薬務課さんですと経験値が高いのでほぼ省令を覚えているためにささっと確認が終わるのですが
許可業者の少ない地方の薬務課ですと初めての仕事と言う担当の方が多いために省令と一文毎に確認したり担当2名で読み合わせしたりで多大な時間を要したりします。
・総括製造販売責任者又は手順書作成者が内容を理解し、説明できることが重要です。
・手順書等が正式に発行され代表等の承認(印)がされている事が重要
・「手順書等はPCにソースが有ります」「うちはフラットな組織で上長の承認は不要です」と言うのは全くダメです。
実務を行う知識があるかの質疑応答が行われます。
薬務課からの質疑応答に備えるためには、
全ての手順書を全て覚えればよいのですが時間的余裕もないでしょうから、
最低限の部分を覚えておくようにします。
ただし、時間が有る限り手順書を読み込んで習熟して下さい。
薬務課の質疑応答で聞かれるのは実務で重要な部分ですのでそれ以外は手順書のここに書かれていますで良いでしょう。
(そのための手順書ですから)
実務で重要な部分とは
●市場出荷判定の手順(市場出荷判定の委託を行うのか)
●文書、記録の管理
●自己点検(内部監査)
●教育訓練
●電磁的記録を行うのか
などです。
実地調査(現地での行政調査)でよくある指摘事項
手順書などが承認されていない
・調査を受ける日までには、会社として正式に承認された手順書が必要です。
・正式に承認されたとは、会社代表が承認印を押したものです。
ただし、緩い地域では指摘事項にしない場合もあります。
手順書の内容を理解していない
手順書を作成していても、
「内容は行政書士に任せています」は絶対にダメです、運用するのは自分達ですから。
総括製造販売責任者又は手順書作成者が理解している必要があります。
文書の保管場所を説明できない
薬務課担当者から、
「その記録はどこに保管しますか」と質問されることがあります。
その際に、「パソコンの中にあります」は電磁的記録の要件を満たしている事が条件です。
電磁的記録の要件を満たしている事を説明できないのはNGです。
紙ベースであっても
保存場所や管理方法を説明できるようにしておくことが重要です。
教育訓練や自己点検を説明できない
許可取得後には、
・教育訓練
・自己点検
・記録保存
などの継続運用が必要です。
運用方法を理解していることが求められます。
FAQ:よくある質問
Q:実地調査(現地での行政調査)にはどのくらい時間がかかりますか?
↓
・東京都や神奈川県など都会の薬務課では慣れているため、特に問題が無ければ約2時間ほど
・許可業者の少ない地方の薬務課ですと初めての仕事と言う担当の方が多いために無限大
Q:調査には何名で来られますか?
↓
・通常は2名で来ます。
Q:総括製造販売責任者が不在でも大丈夫ですか?
↓
・絶対にダメです。総括製造販売責任者本人が居ないと常勤性の観点から疑念の的になります。
Q:総括製造販売責任者が質疑に応答しなければなりませんか?
↓
都道府県により変わりますが
・必ずしも総括さんが応答しなくてもOKの場合有り
・品質保証責任者、安全管理責任者が応答してもOKの場合あり
・理由は総括製造販売責任者が学歴等のみ資格の場合には未経験のためこれから勉強しますと回答
Q:弊社はフラットな組織であり、代表や上長の確認、承認印が不要な文化なのですが?
↓
・薬機法やISO等のマネジメントシステムでは、報告・確認・承認のプロセスが前提となっています。
・組織文化としてフラットであっても、法令遵守のために必要な承認手続は省略できません。
Q:手順書は電子データでもよいですか?
↓
・法的には「電磁的記録」と呼ばれます。
・電磁的記録を実現するには、「厚生労働省のER/ES指針」を実現する文書管理システムを導入、構築する必要があります。
・新規参入で超高額な文書管理システム導入は現実的ではないです。
・電磁的記録を行う場合には、その質疑応答の分だけ調査が長引きます
上記から新規許可取得時は「電子データは使用しない」が良い(あくまで個人的感想です)。
Q:調査でNGになる事はありますか?
↓
・重大な問題(まったく手順書を理解できていないなど)の場合には許可取得までの時間は無限大。
(薬務課が納得できるまで何度も薬務課へ説明)
・軽微な問題の場合には、指摘事項に対しての是正報告書(指摘事項改善結果報告書)の提出を行い、認められれば通常の所要時間で許可取得になります。
超重要:
薬務課担当者は仕事で調査に来ています。
どんなに完璧に作成された手順書で完璧に質疑応答が出来ても何かしらの行政指導事項は置いていきます。(お土産と考えてください)
Q:是正報告とは何ですか?
↓
・都道府県によりその呼び名は、調査指摘事項改善結果報告書や指摘事項是正報告書だったり変わります。
・薬務課により行われた実地調査(現地での行政調査)の結果、指摘事項があった場合(調査指摘事項書など)に対しての改善結果を報告するものです。
Q:手順書を外部作成しても大丈夫ですか?
↓
・大丈夫です。
・弊社では手順書一式を提供しその運用指導を行っています。
化粧品製造販売業でよく使われる用語一覧
実地調査(現地での行政調査)では、各種の単語用語が話されたりしますので話がかみ合わないような事が無いように注意しましょう、最低限覚えておく単語一覧
| 用語 | 意味・解説 |
|---|---|
| 代表(社長)・責任役員 | 責任役員とは、薬機法に関する業務について責任を持つ役員のことです。 |
| 化粧品製造販売業者 | 化粧品製造販売業の許可を持つ事業者です。「化粧品製販」と省略されることがあります。 |
| 総括製造販売責任者 | 製造販売業における実務上の責任者です。「総括」と省略されることがあります。 |
| 品質保証責任者 | 品質保証業務を担当する責任者です。「品責」と省略されることがあります。 |
| 安全管理責任者 | 安全管理業務を担当する責任者です。「安責」と省略されることがあります。 |
| 市場出荷判定 | 製造販売業者が、製品を市場へ出荷してよいかを最終的に判定することです。 |
| 製造所出荷判定 | 製造所が、製品が標準書どおりに製造されたことを確認し、出荷可能かを判定することです。 |
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